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『今、なぜ鍼灸?』
 と問われて、わかり易く説明するのは実に難しいのです。
 これは現代西洋医学的な考え方では到底説明できないためでもありますし、また古来からの東洋人の自然観を抜きにしては語れないからかも知れません。初めて目にする方も多いでしょうけれども、東洋には「三陰三陽」「五行」「五運六気」「十干十二支」といった数にまつわった表現があり、これらはまさに東洋の自然観から生まれた思想で鍼灸もこの概念を拠り所としています。
『つぼ?』
 何でしょう?
  イメージしてください。もしも体の中に地下鉄が走っているとすると『つぼ』は駅に当たるかも知れません。地下鉄は何路線も走っていて主要駅で交差していた りします。各路線は人が生きていく上で必要な働きを意味しているのです。先に述べた「三陰三陽」といった考えが各々の路線を形成しているのです。
 特定の駅での大量の乗降客、時によってはあまりに少ない乗客も支障がでます。車両の故障や事故が起こるとその路線の働きは鈍り、乗客は駅に溢れたり他の路線に負担をかけたりします。
 このダイヤの乱れを正常に戻そうという考えが東洋医学なのです。手段としては駅や駅付近、つまり『つぼ』に「はり」や「きゅう」で接触刺激や熱刺激を施して流れの正常化を図るのです。どの駅を選ぶかは、何千年もの人類史の悠久の時間を通じて築きあげられた経験則の集大成で、それを基礎に施術者は「つぼ」を選択します。
 ガガーリンが人類初の宇宙飛行を果たしたのは1961年(昭和36年)。数十年経った今はスペースシャトルが飛び交い宇宙ステーションに年単位の長期滞在が可能になっています。earth無重力環境が生体に与える影響の重要性から宇宙医学なども生まれていますが、そのうちに宇宙に出て行った人類が変化して新人類になるかも知れません。環境の違いが進化をもたらすのです。
 本当にめまぐるしく変化しているのですが、この変化はたかだか100年程度の期間に起きたもので、人の身体は本質的にはほとんど変化していないはずです。むしろ外界の大きな変化に身体がついていけず心身に異常をきたして病的になっているのが現代人なのかも知れません。この病的な変調を調整することこそ、3千年の歴史に基づいた鍼灸の本領発揮できる場なのです。